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代表 ブログ - 最新エントリー

昨日(2012年11月22日)、東京・銀座にある「中小企業会館」にて、主催セミナー「不動産信託受益権に関わるコンプライアンス研修」を開催させて頂きました。

全国各地から多くの方々にご参加頂きました。改めて厚く御礼申し上げます。 

4時間にわたる長丁場でありましたが、実に熱心に聴いて頂き、また終了後にもご質問も多数頂戴し、皆さんの関心の高さが窺えました。

受講者の皆様よりたくさんのコメントを頂戴いたしましたので、一部を紹介させて頂きます。

  • 極めて明解なお話をありがとうございました。態勢の反復、アウトプット、規程の作成、前途多難ですがしっかりやります。
  • 簡潔な内容で頭の整理ができた。
  • 聞き取りやすく、また資料も法令、監督指針等をふまえたものとなっており、有用性が高いものと思います。
  • とても分かりやすく、社内で何をすべきかが理解できました。例題となる話もあり、分かりやすかったです。
  • 日常トラブルがないよう留意していますが、受講によって具体的かつ明確に認識できた。
  • 書籍や条文のみの学習ではいまいち把握できない部分を解説によって補うことができました。
  • テキストを開いた瞬間には理解できるか不安でしたが、非常にわかりやすく解説いただきました。ありがとうございました。
  • 大変解りやすく講義していただきまして有難うございました。
  • 説明の仕方が平易な表現でとても分かりやすかったです。
  • コンプライアンスとして何をすべきかがとても分かり易く、理解できるセミナーでした。どうも有難うございました。

このように言って頂けるのは講師冥利につきます。慢心せずさらに精進してまいりたいと思います。

来月も同じ内容でセミナーを開催いたしますので、不動産信託受益権取引に関わるプレーヤーの皆様に是非ともご参加頂きたく存じます。

 → 12月19日開催「不動産信託受益権取引に関わるコンプライアンス研修」




 

 

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森林の所有権を取得したら届出が必要です

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2012-10-1 18:35

 森林法の改正により、個人、法人を問わず、売買や相続等により一定の森林の土地を新たに取得した方は、面積に関わらず届出をしなければならないことになりました。(ただし、国土利用計画法に基づく土地売買契約の届出を提出している方は対象外です。)

 
 
国土利用計画法や公有地の拡大の推進に関する法律に基づく届出とは異なり、相続、法人の合併といった一般承継の場合にも届出が必要であること、また面積要件が無いことに注意が必要です。
 
 
なお、届出をしなかった場合、または虚偽の届出をした場合には、10万円以下の過料となります。
 
 
対象 地域森林計画の対象となつている民有林
届出が必要な場合 新たに当該森林の土地所有者となった場合
届出時期 当該森林の土地の所有権を取得した日から90日以内
届出先 市町村長
 
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媒介契約と指定流通機構

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2012-9-16 22:00

 宅地建物取引業者が、宅地または建物の売買・交換の媒介(仲介)の依頼を受ける場合、次のいずれかの契約類型によることになります。

  (1)一般媒介契約
(2)専任媒介契約
(3)専属専任媒介契約

一般媒介契約とは、依頼者が何社の宅地建物取引業者に依頼してもよいというものです。これに対して、専任媒介契約及び専属専任媒介契約は、その宅地建物取引業者にしか依頼できないとするものです。

(ちなみに、「専任」と「専属専任」の違いは、後者の場合依頼者が自ら売買の相手方を見つけた場合(自己発見取引)であっても、当該宅地建物取引業者を通さないと取引ができないという点にあります。)

ところで、専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業者は対象物件の情報を指定流通機構に登録しなければならないとされています。指定流通機構というのは、宅地建物取引業者間で物件情報を共有化するためのシステムで、レインズ(REINS)と呼ばれています。

指定流通機構への登録が義務付けられているのは、物件の売却依頼を受けた業者が「両手」(売主・買主とも自社の顧客となり、両方から仲介手数料を受領すること)を狙って、情報を自社内で囲いこむといった弊害を防ごうという趣旨であると考えられます。

しかし、売主の中には、あまり情報を表に出さずに売却活動をして欲しいという希望を持っている人もいます。そのために信頼できる業者一社のみに媒介を依頼したいところ、専任媒介契約とすると指定流通機構に登録しなければならなくなるという矛盾が生じてしまうことがあるのです。そのため、形式上は一般媒介契約としつつ、お互いの信頼関係をベースに、実際には一社のみにしか依頼しないということもよく行われています。

広範囲に情報を公開したほうが、より良い条件の買い手をより早く見つけることができる、という仮説に基づいて指定流通機構の制度は作られています。一方で、同じものが世の中に二つと存在しない不動産の商品特性を考えたとき、果たしてその仮説は正しいといえるでしょうか。

情報過多の世の中なので、情報発信のあり方を改めて吟味すべきだと思います。先に述べた両手狙いの弊害も防止すべきであるのは確かですが、かといって、なんでもかんでもオープンにすることが依頼者の利益につながるとは思えませんので、そのバランスをとる方法を検討すべきだろうと思います。

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「内部監査」、してますか?

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2012-9-15 21:22

 金融商品取引業の登録にあたっては、内部監査部門を設置することが求められています。

 
内部監査とは、営業店を含む全ての部門から独立した内部監査部門が、被監査部門における内部管理態勢等(法令遵守態勢及びリスク管理態勢を含む。)の適切性、有効性を検証するプロセスです(金融商品取引業者等検査マニュアルより)。
 
「金融商品取引業者等向けの総合的監督指針」では、以下の記載があります。
 
『代表取締役は、内部監査の重要性を認識し、内部監査の目的を適切に設定するとともに、内部監査部門の機能が十分発揮できる機能を構築(内部監査部門の独立性の確保を含む。)し、定期的にその機能状況を確認しているか。また、被監査部門等におけるリスク管理の状況等を踏まえた上で、監査方針、重点項目等の内部監査計画の基本事項を承認しているか。更に、内部監査の結果等については適切な措置を講じているか。』
 
金融庁は内部監査を非常に重要視しておりますので、しっかりとした内部監査が行われていなければ、臨店検査で指摘され、業務改善命令を受ける事態にもなりかねません。
 
 
金融商品取引業の登録が完了した会社であれば、必ず内部監査部門(担当者)が存在するはずです。
 
しかし、内部監査は単に規程を作り、担当部門・担当者を置くだけでは足りません。
 
年度計画を立て、監査を実施し、その結果を取締役会に報告し、問題点を改善していく、というPDCAサイクルに則った運用が求められます。
 
 
とはいうものの、実際には
  • 内部監査を一度も実施したことがない
  • そもそも、内部監査といっても何をしたらよいかわからない
  • 内部監査部門といっても担当者は一人だけで、とても対応できない
といった会社も少なくないのではないでしょうか。
 
不動産法務サポートオフィスでは、御社の規模・業務内容・体制等にふさわしい内部監査計画の立案と、監査実施のお手伝いをさせて頂いておりますので、お気軽にお問合せください。
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コンプライアンス・プログラムと社内研修

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2012-9-9 17:05

金融商品取引業者には、コンプライアンス態勢を整備・確立することが求められています。

 
コンプライアンス・プログラムを策定することもその一環となります。
 
 
コンプライアンス・プログラムとは、法令等遵守に関する具体的な実践計画のことです。
 
事業年度毎に策定するのが一般的で、コンプライアンス部門が原案を作成し、コンプライアンス委員会の承認を経たうえで取締役会で決定します。
 
 
コンプライアンス・プログラムに定める内容は、各社の状況等によって異なりますが、例としては次のようなものを挙げることができます。
  • コンプライアンス委員会等の運営計画
  • 規程、マニュアル等の改訂計画
  • 内部監査計画
  • 研修計画
 
中でも重要なのが「研修」です。
 
法令等遵守は、コンプライアンス部門だけの問題ではなく、全ての役職員にとって重要なものです。
 
特に、実際に顧客等との前面に立つ営業部門は、勧誘、説明、書面交付等、金融商品取引業者の行為規制に関わる場面が多いため、法令等遵守について周知徹底が求められます。
 
そのためには、やはり社内研修を実施することが必要だと思います。
 
 
研修のテーマとしては、
  • 一般的なコンプライアンス知識
  • 業務上必要となる専門的知識(金融商品取引法、宅地建物取引法など)
  • 会社独自の規定、ルール(就業規則、その他の規程)
等が考えられますが、部署や階層に応じたテーマを選択することが大切です。
 
 
コンプライアンス・プログラムを策定した場合、それをきちんと実行に移していかなければなりません。
 
研修についても、計画に盛り込んでいるのであれば、きちんと実施する必要があります。
 
(多忙というのは言い訳になりません。)
 
 
 
 
 
 
(参考)
 
金融商品取引業者向けの総合的監督指針 (III−2−1(1))
  • コンプライアンスが経営の最重要課題の一つとして位置付けられ、その実践に係る基本的な方針、更に具体的な実践計画(コンプライアンス・プログラム)や行動規範(倫理規程、コンプライアンス・マニュアル)等が策定されているか。また、これらの方針等は役職員に対してその存在及び内容について周知徹底が図られ、十分に理解されるとともに日常の業務運営において実践されているか。
  • 実践計画や行動規範は、定期的又は必要に応じ随時に、評価及びフォローアップが行われているか。また、内容の見直しが行われているか。
 
 
「金融商品取引業者等検査マニュアル」 (II−1−1 2.(2))
  • 法令等遵守に関する実践計画(以下「コンプライアンス・プログラム」という。)を作成し、取締役会等の決定又は承認を受けて役職員への周知を図っているか。
  • コンプライアンス・プログラムの作成に当たり、営業部門等の規模や性格等を考慮しているか。また、その実施状況及び効果を業績評価、人事考課等に公平に反映しているか。
  • コンプライアンス・プログラムの進捗状況や達成状況をフォローアップする担当者等の権限及び責任を明確にし、代表取締役又は取締役がその進捗状況や達成状況を正確に把握し、評価できる体制を整備し、実施しているか。
  • コンプライアンス・プログラムは、定期的に内部監査等による評価を受け、適時、合理的に見直しを行っているか。
 
 
 
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暑中お見舞い申し上げます

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2012-7-27 11:49

暑中お見舞い申し上げます。

平素はひとかたならぬご厚情を賜り、誠に有難うございます。

連日猛暑が続いておりますが、何卒ご自愛ください。

 

不動産法務サポートオフィス

行政書士 中沢 誠

※8月も通常営業となります。

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御礼〜開業2周年

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2012-3-1 0:00
平素は格別のお引立てを賜りありがとうございます。
 
さて、不動産法務サポートオフィスは、お蔭様で開業2周年を迎えることになりました。
 
期待1割・不安9割で独立・開業いたしましたが、多くのお客様、パートナーに支えられて、どうにかこうにか営業を続けることができております。
 
これもひとえに皆様のご贔屓ご支援の賜物と感謝いたしております。
 
これを機に、皆様にご満足いただけますよう業務に専心いたす所存でございます。

どうぞ今後ともよろしくご愛顧のほどお願い申し上げます。 

平成24年3月1日

不動産法務サポートオフィス

行政書士 中沢 誠

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不動産信託受益権売買に関わる顧客管理の実務

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2012-2-23 14:31

 2月21日(火)に、東京・銀座にある「中小企業会館」にてセミナーを開催いたしました。

テーマは「不動産信託受益権売買に関わる顧客管理の実務」です。

(内容)

第1部 本人確認・顧客属性の把握

  • 「本人確認」は取引の基本中の基本!
  • 「犯罪収益移転防止法」とは?
  • 本人確認の方法
  • 本人確認記録、取引記録の作成・保存
  • 疑わしい取引の届出
  • 顧客属性の把握

第2部 プロ成り・アマ成りの実務

  • 特定投資家制度とは
  • 顧客が特定投資家である場合
  • 顧客が一般投資家である場合

第3部 個人情報保護のポイント

  • 個人情報保護法の目的
  • 用語の定義
  • 「個人情報」を取り扱う際のルール
  • 「個人データ」に関するルール
  • 安全管理措置

 

どのような業種においても、顧客情報の取扱には十分気をつけるべきであります。

その中でも、顧客の資産状況を知り得る立場にある不動産業者、金融商品取引業者には、より慎重な取り扱いが求められています。

顧客情報を取り扱うのは最前線の営業部門であることが多いですが、そういった方々に対して顧客情報の取扱ルールを徹底することが重要です。

そのため、今回のようなテーマで研修を行うのも一つの方法ではないかと思います。

 

⇒ 近日開催予定のセミナーはこちらです

 

 

 

 

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FRKで研修講師をさせて頂きました

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2012-2-11 14:14

 1月23日と2月10日に、社団法人不動産流通経営協会(FRK)の研修講師を務めさせて頂きました。

受講者はそれぞれ約130名、約150名とかなりの大人数でびっくりしましたが、やはり不動産信託受益権取引についての関心の高さが窺えますね。

今回の研修でも、おかげさまで「大変参考になった」「わかりやすかった」という評価をたくさん頂くことができました。

法律家というより実務家であるという感覚のほうが強いので、同じ実務家である受講者の方々にとって役に立つ、わかりやすい話ができているのかなと自分では思っています。

これからも、より実践的な、現場ですぐに役立つ内容の研修・セミナーに取り組んでまいりたいと考えております。

 

→ 近日開催予定のセミナーはこちら

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競売不動産取扱主任者

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2012-1-29 12:03

今日、「競売不動産取扱主任者」の合格証書が届きました。

この資格は一般社団法人不動産競売流通協会が実施しているもので、今回が第1回目の試験でした。

  •  受験者総数1,065名
  •  合格者 448名
  •  合格率 42%

一般的に資格試験というのは初回が最も合格率が高いので、やはりその傾向が表れていますね。

 

NPL(不良債権)ビジネスの黎明期から競売にかかわり、最近も雑誌にNPL絡みの記事を書かせて頂いておりますので、 何としても合格したいと思っておりました。

とはいえ、試験直前に案件が重なり(有難いことなのですが)、勉強に時間を割くことができませんでした。

そのため、正直あまり自信がありませんでしたので、無事合格することができて安堵いたしております。

 

以前に比べて法整備も進み、不動産競売もだいぶ一般的なものになりました。

しかし、通常の不動産売買とは異なるリスクは依然としてありますので、専門家によるサポートは非常に重要だと思います。

この資格取得を契機に、不良債権ビジネスに関わるサポートを一層強化してまいりたいと考えております。

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昨日、 2012年最初のセミナーを開催いたしました。

テーマは「基礎から学ぶ『不動産ファンド』と『信託』の仕組み」ということで、不動産信託受益権ビジネスに参入を検討している経営者・部門責任者・実務担当者の方々向けに、不動産信託受益権の仕組み、法規制及び取引実務上のポイントを解説いたしました。

 

このテーマでやるのは3回目ですが、大変好評を頂いておりますので、今後も定期的に開催してまいりたいと考えています。

また、今回は全体像というか総論部分を中心にお話させて頂きましたが、来月以降より実務的な内容のセミナーを予定しております。 

 → 今後開催予定のセミナー

第二種金融商品取引業者、特に営業(フロント)部門の方に受講して頂けたらと思います。

 

【 昨日のカリキュラム 】

第1部「不動産ファンド・信託の仕組み」

・不動産ファンドの仕組み
・ファンドの特徴・組成のポイント
・代表的なスキーム(仕組み)
・ノンリコースローン
・倒産隔離( Bankruptcy Remoteness )
・二重課税の回避
・信託とは何か
・信託不動産の登記方法
・信託が用いられる理由
・不動産信託の典型的なスキーム

第2部「信託受益権と金融商品取引法」

・金融商品取引法のあらまし
・信託受益権取引と第二種金融商品取引業
・第二種金融商品取引業の登録要件
・第二種金融商品取引業者の行為規制
・特定投資家制度
・広告等の規制
・契約締結前交付書面
・契約締結時交付書面
・帳簿、事業報告書

第3部「信託受益権取引実務のポイント」

・信託受益権取引の流れ
・信託受益権の取引方法
・信託受益権譲渡・即日解除
・賃借権・敷金の承継
・信託受益権への質権設定
・表明保証
・倒産申立権放棄特約
・責任財産限定特約

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2012年の目標

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執筆 : 
2012-1-4 10:00

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

年末年始の間、2012年の目標を考えておりました。

経営上の数値目標とともに、具体的な行動計画を定めようとしていたのですが、これがなかなか難しかったです。

実のところ、今もまだ思案を続けています。

しかし、抽象的な目標だけでは単なるスローガンになってしまうので、「何をやるのか」ということを明確することが重要だと考えております。

 

おかげさまで当事務所も3期目となりました。

これもひとえにクライアントの皆様やパートナーの方々のご支援の賜物でございます。

これからも良質なサービスを常に全力で提供してまいる所存です。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

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本年もお世話になりました

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執筆 : 
2011-12-28 16:12

 2011年も残すところ3日となりました。

今年は東日本大震災という未曽有の出来事があり、一生忘れられない年となりました。

「絆」ということが強調された年だったと思いますが、私自身もご縁ある人たちとの絆を感じることが非常に多かったです。

お客様、同業者の方々、ビジネスパートナーの皆様に対しては、ただただ感謝の気持ちしかございません。

来年も周囲への感謝の気持ちを忘れず、より一層精進してまいりたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

どうぞ良い年をお迎えください。


不動産法務サポートオフィス
代表  中沢 誠


===== 年末年始休業のお知らせ =====

不動産法務サポートオフィスは、12月29日から1月4日まで休業とさせていただいております。

新年は1月5日より営業いたします。

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「自己発見取引」と「直接取引」

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2011-10-20 7:00
不動産売買の媒介契約については、国土交通省が標準約款を定めています。
 
 
 
「自己発見取引」とは、依頼者が自ら取引の相手方を見つけることです。
 
自分で相手方を見つけたわけですから、業者に対して報酬を支払う必要はないのが原則です。
 
しかし、「専属専任」というタイプの媒介契約では、自己発見取引が禁止されています。
 
そのため、たとえ自分で見つけた相手方と取引をする場合であっても、依頼者は業者へ報酬を支払う必要があります。
 
 
「直接取引」とは、相手方を業者が見つけてきたにもかかわらず、業者を排除して取引を行うことをいいます。
 
標準約款では、媒介契約の有効期間の満了後2年以内に、依頼者が業者の紹介によって知った相手方と業者を排除して目 的物件の売買又は交換の契約を締結したときは、業者は、依頼者に対して、契約の成立に寄与した割合に 応じた相当額の報酬を請求できると定めています。
 

業者は取引の相手方を見つけてくるという仕事をしている以上、報酬を請求するのは当然のことです。 

ところが、意外にも「直接取引」を巡るトラブルが多く、裁判沙汰になることも珍しくありません。

媒介契約をきちんと締結することがトラブル回避の大前提ですが、ただ単に紹介するだけはなく、契約成立に向けてこまめなフォローをしていくことが重要なことだと思います。

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媒介契約と契約締結前交付書面

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2011-10-13 7:00

 信託受益権売買の媒介(仲介)を行う場合には、顧客に対して契約締結前交付書面を交付しなければなりません(金融商品取引法第37条の3)。

 ここでご注意頂きたいのは、書面交付義務の対象となる「金融商品取引契約」には信託受益権売買契約だけでなく、媒介契約も含まれるということです。
 
したがって、売買契約に先立って媒介契約を締結する場合には、媒介契約についての契約締結前交付書面を作成し、顧客へ交付する必要があります。
 
媒介契約に関する契約締結前交付書面の記載事項は以下のとおりです。
 
<売付け(売却)の媒介で、顧客が信託受益権の所有者の場合>
 
(金融商品取引法第37条の3第1項) 
  1. 当該金融商品取引業者等の商号、名称又は氏名及び住所
  2. 金融商品取引業者等である旨及び当該金融商品取引業者等の登録番号
  3. 当該金融商品取引契約の概要
  4. 手数料、報酬その他の当該金融商品取引契約に関して顧客が支払うべき対価に関する事項であつて内閣府令で定めるもの
  5. 顧客が行う金融商品取引行為について金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動により損失が生ずることとなるおそれがあるときは、その旨
  6. 前号の損失の額が顧客が預託すべき委託証拠金その他の保証金その他内閣府令で定めるものの額を上回るおそれがあるときは、その旨
  7. 前各号に掲げるもののほか、金融商品取引業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして内閣府令で定める事項
(金融商品取引業等に関する内閣府令第82条)
  • 当該契約締結前交付書面の内容を十分に読むべき旨
  • 令第十六条第一項第二号 に掲げる事項
  • 顧客が行う金融商品取引行為について金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合にあっては、次に掲げる事項
    イ 当該指標
    ロ 当該指標に係る変動により損失が生ずるおそれがある理由
  • 前号の損失の額が顧客が預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回ることとなるおそれ(以下この号において「元本超過損が生ずるおそれ」という。)がある場合にあっては、次に掲げる事項
    イ 前号の指標のうち元本超過損が生ずるおそれを生じさせる直接の原因となるもの
    ロ イに掲げるものに係る変動により元本超過損が生ずるおそれがある理由
  • 顧客が行う金融商品取引行為について当該金融商品取引業者等その他の者の業務又は財産の状況の変化を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合にあっては、次に掲げる事項
    イ 当該者
    ロ 当該者の業務又は財産の状況の変化により損失が生ずるおそれがある旨及びその理由
  • 前号の損失の額が顧客が預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回ることとなるおそれ(以下この号において「元本超過損が生ずるおそれ」という。)がある場合にあっては、次に掲げる事項
    イ 前号の者のうち元本超過損が生ずるおそれを生じさせる直接の原因となるもの
    ロ イに掲げるものの業務又は財産の状況の変化により元本超過損が生ずるおそれがある旨及びその理由)
  • 当該金融商品取引契約に関する租税の概要
  • 当該金融商品取引契約の終了の事由がある場合にあっては、その内容
  • 当該金融商品取引契約への法第三十七条の六 の規定の適用の有無
  • 当該金融商品取引契約が法第三十七条の六 の規定が適用されるものである場合にあっては、同条第一項 から第四項 までの規定に関する事項
  • 当該金融商品取引業者等の概要
  • 当該金融商品取引業者等が行う金融商品取引業(登録金融機関にあっては、登録金融機関業務)の内容及び方法の概要
  • 顧客が当該金融商品取引業者等に連絡する方法
  • 当該金融商品取引業者等が加入している金融商品取引業協会及び対象事業者となっている認定投資者保護団体(当該金融商品取引契約が当該認定投資者保護団体の認定業務(法第七十九条の十第一項 に規定する認定業務をいう。)の対象となるものである場合における当該認定投資者保護団体に限る。)の有無(加入し、又は対象事業者となっている場合にあっては、その名称)
  • 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項
    イ 指定紛争解決機関(当該金融商品取引契約に係る業務をその紛争解決等業務の種別とするものに限る。以下この号において同じ。)が存在する場合 当該金融商品取引業者等が法第三十七条の七第一項第一号 イ、第二号イ、第三号イ、第四号イ又は第五号イに定める業務に係る手続実施基本契約を締結する措置を講ずる当該手続実施基本契約の相手方である指定紛争解決機関の商号又は名称
    ロ 指定紛争解決機関が存在しない場合 当該金融商品取引業者等の法第三十七条の七第一項第一号 ロ、第二号ロ、第三号ロ、第四号ロ又は第五号ロに定める業務に関する苦情処理措置及び紛争解決措置の内容)

 <顧客が信託受益権の所有者以外である場合(買主の場合)>

上記に加え、有価証券等記載事項(内閣府令第83条)、信託受益権記載事項(同第84条)、不動産信託受益権記載事項(同第85条)に定める事項についても記載する必要があります。

 

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宅建業者による勧誘の規制強化

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2011-10-4 8:00

 2011年10月1日に、宅地建物取引業法施行規則(国土交通省令)の一部が改正されました。

 
今般の改正では、マンション販売等に関わる悪質な勧誘を禁止することが主眼となっています。
 
具体的な禁止行為は以下のとおりです。
 
当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘を目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと(第16条の12第1号ハ)。
 
 →勧誘にあたっては、会社名、担当者名を名乗ったうえで、不動産の購入・売却等の勧誘である旨を告げなければいけません。
 
宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること(第16条の12第1号ニ)。
 
 →「買うつもりがない」、「話を聞きたくない(勧誘を受けたくない)」等の意思表示をしている相手に対し、その後もしつこく勧誘をしてはいけません。
 
迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること(第16条の12第1号ホ)。
 
 →「迷惑を覚えさせるような時間」について具体的な定義はなく、迷惑と感じるかどうかは人によって様々です。常識で判断するほかありませんが、電話や訪問すること自体が禁止行為に該当するので注意が必要です。
 
深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること(第16条の12第1号ヘ)。
 
 →「深夜」「長時間」というのは例示であって、私生活又は業務の平穏を害するような方法で相手を困惑させる行為、たとえばしつこく何度も電話してくるとか、威圧的な態度で契約の締結を迫るといったことも禁止行為に当たると考えられます。
 
 
勧誘行為というのは、現場の営業社員によって行われるものです。
 
そのうちの一人の不適切な勧誘によって、会社全体が行政指導、行政処分の対象となってしまうおそれがあります。
 
すべての勧誘行為が適切に行われるようにするためには、営業社員に対する教育・指導を徹底することが求められます。
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ビル・マンション名の変更

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2011-8-31 10:20
売買に伴って、ビル・マンション等の名称の変更が行われることがあります。
 
ブランディングの観点から、自社の所有・運営する物件の名称を統一するところが増える一方、物件の売買も頻繁に行われていることから、数年おきに名称が変更となるケースも少なくありません。
 
物件名称を変更するか否かについては、本来新しい所有者の自由です。
 
しかしながら、前所有者がブランド名を「商標登録」している場合、物件名称を変更することを売買の条件とすることもあります。
 
 
建物の名称を変更する場合の手続きですが、まず「建物の名称」が登記されている建物であれば、法務局で表示変更登記を行う必要があります。
 
次に、市町村(東京23区)にも名称変更について届出を行う必要があります。
 
 
市町村に届出を行う必要があるのは、ビル・マンションの名称が住居表示に関わっているからです。
 
 
ビル・マンション名が変更となると、入居している企業や個人にも様々な影響があります。
 
特に企業の場合、商業登記・不動産登記や各種許認可に関して変更が必要となりますし、ホームページ、名刺、各種印刷物についても修正しなければならないこともあり、それなりに費用がかかります。
 
個人の場合、費用はさほどかからないかと思いますが、住所変更を届出・通知しなければならない先は意外と多いものですので、煩わしい思いをさせてしまうのは確かです。
 
新規のテナント募集を行ううえで、ビル・マンション名のインパクトは非常に大きいものですが、一方で既存のテナントに与える影響(特に経済的損失)についても十分に考慮する必要があると思います。
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原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

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2011-8-24 6:00

 先日、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の再改定版を発表しました。

 
ガイドラインは法律とは異なり強制力はありませんが、賃貸住宅退去時の原状回復に関する指針を示すことで、紛争を減らすことを目的としています。
 
ガイドラインの基本的な考え方は次のとおりです。
 
賃借人の原状回復義務 賃借人の居住・使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を復旧すること。
賃借人の負担単位等 可能な限り毀損部分の補修費用相当分となるよう限定的なものとする。この場合、補修工事が最低限可能な施工単位を基本とする。いわゆる模様あわせ、色あわせについては、賃借人の負担とはしない。
経過年数の考慮等
  • 財産的価値の復元という観点から、毀損等を与えた部位や設備の経過年数によって、負担割合は変化する。
  • 具体的には、経過年数が多いほど賃借人の負担割合が小さくなるようにする。
  • 最終残存価値は1円とし、賃借人の負担割合は最低1円となる。
 
今回の改定の最大のポイントは、原状回復の一般的ルールや修繕費分担表を記載した様式を定め、これを賃貸借契約書に添付することを推奨しているところです。
 
従前このガイドラインは、退去時に(あるいはトラブル発生時に)参照されることが多かったのですが、賃貸人・賃借人の双方が原状回復に関する条件を契約時に合意することで、トラブルを未然に防止することが期待されています。
 

 

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レインズのデータは個人情報?

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2011-8-3 7:00

 個人情報保護法においては、個人情報データベース等を事業に利用している者を「個人情報取扱事業者」とされています。

 
ただし、取り扱う個人情報が5,000人を超えない場合には、個人情報取扱事業者とはなりません。
 
もっとも、不動産流通業者の場合には、指定流通機構(レインズ)のデータを利用することができるため、常に5000人を超える個人データを事業の用に供していることになるので、業者の規模に関わりなく個人情報取扱事業者に該当することになります。
 
「レインズのデータが個人情報なの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
 
個人情報とは、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることになるものも含む」とされています。
 
土地の面積や建物の構造等だけであれば個人情報には該当しませんが、所在地や所有者氏名の情報が加われば、特定の個人を識別することができるようになります。
 
このため、レインズに登録されている情報については、元付業者に問合せをすれば住宅地図等で物件の特定はできますので、個人情報として取り扱うべきものと考えられています。
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信託受託者の更迭

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2011-7-13 7:00

 「受託者の更迭」とは、受託者を変更する(交代させる)ということです。

 
受託者に何か不手際があったとかとは関係なく、当事者間の合意で変更することが可能です。
 
実務上では、受益者(委託者)、現受託者及び新受託者の三者間契約(受託者変更契約)を締結することによって、受託者を変更することが行なわれています。
 
 
受託者更迭(変更)は、信託受益権の譲渡に関連して行われることが多いです。
 
ここで、受託者を変更したうえで受益権譲渡を行うのか(前更迭)、受益権譲渡後に受託者変更をするのか(後更迭)、ということが問題となります。
 
受託者変更がもっぱら買主の都合によるケースでは、売主としては受託者変更は譲渡後に行うことを希望するものです。
 
面倒な手続きに関わりたくないというのもありますし、自らの手で受託者を更迭(変更)する形になることを望まないという心情的なものもあります。
 
 
しかし、現受託者の立場としては、受託者変更をするのであれば譲渡前にして欲しいと考えているのが一般的です。
 
なぜなら、すぐに受託者変更が行われることが分かっているのに、煩雑な受益権譲渡の手続きをしたくはないからです。
 
 
受託者変更の有無にかかわらず、受益権が譲渡される際には、従前のマスターリース契約やプロパティマネジメント契約を承継するのか、それとも解約するのかということが問題となります。
 
これに受託者変更が絡んでくると、これらの契約の解除を受託者変更前に行うのか、いったん新受託者が承継したうえで解除するのか、といったことも議論する必要がでてきます。
 
それぞれの当事者にとっての法的リスク(の解釈)や事務負担が絡むので、調整に時間がかかるケースも少なくありませんので、取引のスケジュールを組む際には留意しておきたいところです。
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特定目的会社への譲渡人等の通知義務の廃止

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2011-6-29 7:00
資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成23年5月17日成立、同年5月27日公布)によって、資産の流動化に関する法律の一部が改正されました。
 
その中の一つが標題の通知義務制度の廃止です。
 
この通知義務制度については、以前こちらに書きましたのでご参照ください。
 
 
現行法では、特定目的会社(TMK)が取得する際、売買契約の中で譲渡人(売主)の通知(告知)義務を記載しなければならないとされています。
 
同様に、特定目的会社が信託受益権を取得する場合には、信託契約において受託者(≒信託銀行)が受益者に重要な事実について通知する義務を定める必要がありました。
 
従来からこれらの通知義務の実効性に疑問が持たれていましたが、今回の法改正で廃止されることになりました。
 
なお、この改正法は「公布から6か月以内で政令で定める日」から施行されることになっていますので、それまでの間は従来どおり通知義務を売買契約書に規定しなければなりませんので注意してください。
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罹災都市借地借家臨時処理法

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2011-6-15 6:00

 借地上の建物が滅失したときは、借地権者は当該借地権を第三者に対抗することができなくなります。

 
また、建物の賃借権(借家権)についても、当該建物が滅失した場合には消滅することとなります。
 
しかし、今般の東日本大震災のような災害が発生した場合に、上記のような取扱いをしてしまうと、路頭に迷ってしまう借地人、借家人が多数出てしまうおそれがあります。
 
そのため、このような事態が発生した場合、「罹災都市借地借家臨時処理法」の適用が検討されることになります。
 
 
罹災都市借地借家法では、政令で災害及び適用地区を指定することにより、以下の制度が適用されます。
 
 
(1)借地上の建物が滅失した場合、政令施行日から5年間、借地権の登記または建物の登記がなくても、当該借地権を第三者に対抗することができる(第10条)。
 
(2)残存期間が10年未満であっても、10年に延長される(第11条)。
 
(3)滅失した建物の借家人は、その建物があった敷地の所有者に対して申し入れることにより、優先的に借地権を取得することができる(第2条)。
 
(4)滅失した建物の借家人は、その敷地上に再築された建物に対して、優先的に借家権を取得できる(第14条)。
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建物賃貸借と不可分債務

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2011-6-8 6:00

 契約当事者が複数となっている場合、分割債権・分割債務となることが原則です(民法第427条)。

 
たとえば、兄弟に100万円を貸した場合、債権者は兄弟のそれぞれに対して50万円ずつ請求できますが、一方が支払わないからといって、その分の他方に請求することはできないということです。
 
では、ある建物を兄弟に賃貸した場合はどうでしょうか?
 
結論を先に言うと、貸主は兄弟のどちらに対しても家賃全額を請求することができます。
 
借主である兄弟は建物全体を利用しているものであり、家賃は建物全体を不可分的に利用していることの対価です。
 
このような場合には、民法上「不可分債務」として扱われるのです(民法第428〜430条)。
 
 
ところで、複数の賃借人の一人に家賃全額を請求することはできますが、それだけでは他の賃借人に対して請求の効力は生じません。
 
このため、請求を受けなかった賃借人に関しては時効の中断も発生しませんし、遅延損害金も発生しないことになってしまいます。
 
したがって、賃借人が複数となる場合には、当事者となっている全員に対して請求をすることが必要です。
 
なお、賃借人の債務を「連帯債務」とすることにより、一人の賃借人への請求が他の賃借人にも効力を生じさせることができますので、そのような特約を盛り込むことも一考でしょう。
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暴力団排除条項

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2011-6-1 7:00

 「東京都暴力団排除条例」が平成23年3月18日に公布され、平成23年10月1日から施行予定となっています。

 
 
同様の条例はほとんどの都道府県で制定・施行されており、暴力団排除というのは市民の法的な義務となっています。
 
 
不動産取引に関連するところでは、各地の条例でおおむね次のことが定められています。
  • 不動産を譲渡・貸付する際には、相手方(買主・借主)が当該不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努める。
  • 不動産の譲渡・貸付の契約書に、「暴力団事務所の用に供してはならない」、「暴力団事務所の用に供していることが判明した場合には、売買契約・賃貸借契約を解除できる」という特約を定めるよう努める。(暴力団排除条項)
  • 不動産譲渡・貸付の代理・媒介を行う者は、上記規定の遵守に関して助言等をするよう努めること。
契約書に「暴力団排除条項」を定める意義は、万一譲渡・貸付した不動産が暴力団事務所として利用されてしまった場合に、買戻し・明け渡しの根拠になるということです。
 
また、そのような条項を予め定めることで、暴力団関係者をけん制し、当該不動産が暴力団事務所として利用されることを予防するという効果も期待できます。
 
もっとも、暴力団排除条項を契約書に定めたとしても、それですべてが解決できるわけではありません。
 
実際の取引で暴力団等と関わりが生じてしまった場合には、警察等と連携して対処する必要があります。
 
その場合でも、暴力団排除条項があり、それに基づいて買戻しや明渡を求めているということであれば、協力を得やすいことは間違いのないところです。
 
 
 
 
※東京都暴力団排除条項
 
(不動産の譲渡等における措置)
第19条 都内に所在する不動産(以下「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。以下「譲渡等」という。)をする者は、当該譲渡等に係る契約を締結するにあたり、当該契約の相手方に対し、当該不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努めるものとする。
2 不動産の譲渡等をする者は、当該譲渡等に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。
 一 当該不動産を暴力団事務所の用に供し、又は第三者をして暴力団事務所の用に供させてはならないこと。
 二 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明した場合には、当該不動産の譲渡等をした者は、催告することなく当該不動産の譲渡等に係る契約を解除し、又は当該不動産の買戻しをすることができること。
 
(不動産の譲渡等の代理又は媒介における措置)
第20条 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、自己が譲渡等の代理又は媒介をする不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることの情を知って、当該不動産の譲渡等に係る代理又は媒介をしないよう努めるものとする。
2 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、当該譲渡等をする者に対し、前条の規定の遵守に関し助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
 

 

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造作買取請求権

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2011-5-25 7:00

 建物の賃貸借契約が終了した際に、賃借人(テナント)が建物に付加した物(造作)の取扱いを巡ってトラブルとなることがあります。

 
借地借家法では、一定の場合に賃借人が賃貸人に対して当該造作を時価で買い取るべきことを請求できると定めています。
 
(造作買取請求権)
第三十三条  建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。
2  前項の規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間について準用する。
 
 
造作とは、建物に設置されたもの(動産)のうち、容易に取り外すことができず、かつ建物の価値を増大させるものです。
 
容易に取り外すことができないとはいえ、建物と一体化しているわけではなく、建物とは別個のもの(動産)が造作であり、間仕切り、吊戸棚、雨戸、空調設備等がこれに該当します。
 
造作買取請求権の対象となるのは、「賃貸人の同意を得て建物に付加した」造作に限られます。
 
したがって、賃貸人の同意を得ずに付加したものについては買取請求をすることができず、賃借人は付加したものを取り外したうえで賃貸人に建物を返還しなければなりません。
 
 
なお、造作買取請求権については当事者の合意で排除することができます。
 
トラブルになりやすいところですので、賃貸借契約書にその旨をしっかりと明記しておくことが重要です。
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隣地境界線からの距離

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2011-5-18 7:00

隣の土地との境界線ギリギリのところに建物を建ててしまうと、採光や通風に影響が生じるほか、建物の建築・修繕等の場合に隣地に立ち入る必要がでてくるなどの問題がでてきます。

そのため、民法では「建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない」と定めています(民法第234条第1項)。

新たに建物を建てるときはもちろんのこと、中古建物の売買・売買の仲介をする際にも、現状の建物が境界線から50センチメートル以上の距離を保っているかどうかを確認しておくべきです。

(ただし、建築に着手した時から一年を経過し、またはその建物が完成した後は、隣地所有者は損害賠償の請求のみをすることができます。)


ところで、建築基準法第65条では「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる」と規定されています。

民法というのは私人間の権利関係を調整するための法律であり、一方の建築基準法は公益のために一定の建築行為を規制する法律であり、両者はそれぞれ目的を異にするものです。

この点について最高裁判所は、建築基準法第65条は民法の特則であると判断しています(最高裁平成元年9月16日判決)。

したがって、防火・準防火地域内で外壁が耐火構造である建物であれば、隣地境界線との距離が50センチメートル未満であっても問題はないことになります。

とはいえ、建築の際に隣地との間でトラブルになることは少なくありませんので、建築に着手する前に隣地所有者等への説明を十分に行い、理解を得ておくことが必要であることは言うまでもありません。


※判決文一部抜粋

建築基準法65条は、防火地域又は準防火地域内にある外壁が耐火構造の建築物について、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる旨規定しているが、これは、同条所定の建築物に限り、その建築については民法234条1項の規定の適用が排除される旨を定めたものと解するのが相当である。

けだし、建築基準法六五条は、耐火構造の外壁を設けることが防火上望ましいという見地や、防火地域又は準防火地域における土地の合理的ないし効率的な利用を図るという見地に基づき、相隣関係を規律する趣旨で、右各地域内にある建物で外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができることを規定したものと解すべきであって、このことは、次の点からしても明らかである。

すなわち、第一に、同条の文言上、それ自体として、同法6条1項に基づく確認申請の審査に際しよるべき基準を定めたものと理解することはできないこと、第二に、建築基準法及びその他の法令において、右確認申請の審査基準として、防火地域又は準防火地域における建築物の外壁と隣地境界線との間の距離につき直接規制している原則的な規定はない(建築基準法において、隣地境界線と建築物の外壁との間の距離につき直接規制しているものとしては、第一種住居専用地域内における外壁の後退距離の限度を定めている54条の規定があるにとどまる。)から、建築基準法六五条を、何らかの建築確認申請の審査基準を緩和する趣旨の例外規定と理解することはできないことからすると、同条は、建物を建築するには、境界線から50センチメートル以上の距離を置くべきものとしている民法234条1項の特別を定めたものと解して初めて、その規定の意味を見いだしうるからである。

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 前回に引き続き、信託受益権売買に関する広告等に表示すべき事項をみていきます。

 
 
「リスク関連情報」とは、次の内容を指します。
 
顧客が行う金融商品取引行為について金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合にあつては、次に掲げる事項
 
イ 当該指標
ロ 当該指標に係る変動により損失が生ずるおそれがある旨及びその理由
 
前号の損失の額が保証金等の額を上回ることとなるおそれ(「元本超過損が生ずるおそれ」)がある場合にあつては、次に掲げる事項
 
イ 前号の指標のうち元本超過損が生ずるおそれを生じさせる直接の原因となるもの
ロ イに掲げるものに係る変動により元本超過損が生ずるおそれがある旨及びその理由
 
 
なかなかわかりずらいですよね。
 
不動産信託受益権の場合、その財産的価値は信託財産である不動産の価格とほぼ同じと考えられますので、「信託財産たる不動産の価格の変動」を直接の原因として損失が生じるおそれがあるといえます。
 
(記載例)
信託受益権は、信託財産である不動産価格の変動によって価格が変動し、投資元本を割り込むリスクがあります。不動産価格は、所在するエリアの人口や新規供給物件数の増減、金利・為替の変動、税制変更、地震等の災害による滅失・毀損、経年劣化、土壌汚染等の隠れた瑕疵の発見等の影響によって変動します。
 
なお、上記はあくまでも一般的な記載例であり、物件によってリスクの内容は異なりますのでご留意ください。
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 前回に引き続き、信託受益権売買に関する広告等の規制についての話です。

 
広告等に表示すべき事項は、法律に定められています(金融商品取引法第37条)
 
  • 金融商品取引業者の名称
  • 金融商品取引業者である旨及び登録番号
  • 顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもので政令で定めるもの
 
「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」としては、次のものが挙げられます。
 
  • 手数料関係情報
  • リスク関係情報
  • 金融商品取引契約に関する重要な事項について顧客に不利益となる事実
  • 金融商品取引業協会に加入している場合は、その旨及び名称
 
「手数料関係情報」とは、顧客が支払うべき手数料などの対価の種類ごとの金額(上限額)または計算方法の概要と、当該金額の合計額(上限額)または計算方法の概要とされています。
 
 信託受益権売買に即して考えると、売買代金以外で買主が負担することとなる手数料等としては次のものが挙げられます。
(ただし、下記はあくまで例示であり、具体的案件によってはこれ以外の費用が必要となる場合があります。)
 
  • 媒介報酬
  • 信託報酬(受託時報酬、管理報酬、処分時報酬等)
  • 各種契約書に貼付する収入印紙代
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬等)
  • 固定資産税等精算金
  • デューデリジェンス費用
 
 
この続きは次回に。

 

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 信託受益権の売買に関する広告等を行う際には、金融商品取引法の規制に留意する必要があります。

 
金融商品取引業者は、金融商品取引業の内容について広告その他これに類似する行為をするときは、一定の事項を表示しなければなりません。
 
金融商品取引法に広告についての定義はありませんが、パブリックコメントに対する金融庁の回答では、「一般的に広告とは、随時又は継続してある事項を広く(宣伝の意味も含めて)一般に知らせることをいうと考えられます」とされています。 
 
また、広告に類似する行為については内閣府令第72条に定義されていて、「郵便、信書便、ファクシミリ装置を用いて送信する方法、電子メールを送信する方法、ビラ又はパンフレットを配布する方法その他の方法により多数の者に対して同様の内容で行う情報の提供」となっています。
 
上記を踏まえると、新聞広告、折込チラシ、ダイレクトメール、ウェブ広告やポータルサイトへの掲載等については、当然規制の対象になることがわかります。
 
ところで、実務では「物件紹介書」「物件概要書」等というような形で顧客へ情報提供をすることが多いですが、これについては広告規制の対象になるでしょうか?
 
前掲のパブリックコメントに対する金融庁の回答では、「単独の顧客のみを対象として行われる当該顧客に即した情報の提供については、当該行為が個別の販売・勧誘と考えられることから、広告等規制の対象にならないと考えられますが、多数の者に対して同様の内容で情報の提供が行われる場合については、投資者に対する適切な情報提供を担保する観点から、広告等規制の対象とすることが適当と考えられます」とされています。
 
ある一人のお客様のためだけに物件紹介書を作成する、ということは通常あり得ませんから、広告規制に則った形で作成するべきだと考えます。
 
 
(次回に続きます。)
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囲繞地通行権

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2011-4-13 7:00

 家が密集したエリアでは、他の土地に囲まれて公道に通じない土地も少なくありません。

 
民法では、このような土地(「袋地」ともいいます。)の所有者に、その土地を囲んでいる他の土地(「囲繞地」=「いにょうち」ともいいます。)を通行する権利を認めています(民法第210条)。
 
通行の場所及び方法については、通行権を有する者のために必要であり、かつ他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならないとされています(民法第211条)。
 
また、通行権を有する者は、通行する土地の損害に対して償金を支払わなければならないのが原則です(民法第212条)。
 
しかし、ある土地の分割したことによって公道に通じない土地が発生した場合には、分割前の土地のみを通行することができます(民法第213条第1項本文)。
 
なおこの場合には、通行権を有する者は償金を支払う必要はありません(民法第213条第1項但書)。
 
不動産を購入する際には、売買対象土地が道路に面しているかだけではなく、対象地の隣接地に公道に面していない土地が無いか、対象地に通行権を有している者がいないかどうかについても確認することが重要です。
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PML

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2011-4-6 7:00

 不動産ファンドが物件を購入する際に行われるデューデリジェンスにおいては、「PML」による評価を行います。

 
PMLとは、Probable Maximum Loss(予想最大損失)の略で、建物等の耐震性を評価する指標です。
 
これは、50年に10%の確率で発生(=475年に1回必ず発生)し、最大の損害を与える規模の地震によって被害を受けたとき、復旧するための費用が総建替え工事の何%を占めるかを算出したものです。
 
 PML(%) = 補修工事費 ÷ 総建て替え工事費 × 100
 
PMLは、対象となる建物が所在する場所の地震発生危険度や地盤の影響、当該建物の耐震性能を総合的に勘案して算出されます。
 
耐震性能の高い建物ほどPMLは低くなりますが、同じ耐震性能をもつ建物でも所在する場所によってPMLは異なることになります。
 
PMLが小さいほど地震による損失リスクが小さいと評価されます。
 
一般的には、PMLが15〜20%の場合には何らかのリスク低減措置を求められ、20%を超えると投資・融資不適格とされることが多いようです。
 
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地方公共団体が「一般投資家」に

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2011-3-30 6:50

 以前こちらのブログで特定投資家制度の説明をしましたが(→特定投資家への告知義務)、平成23年4月1日より一部改正がありました。

 
特定投資家のうち「金融商品取引法第79条の21に規定する投資者保護基金その他の内閣府令で定める法人」については、顧客の申出によって一般投資家に移行することができることになっています。
 
今回この内閣府令(金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令)が改正され、これまで特定投資家とされてきた「地方公共団体」が削除されました。
 
つまり、地方公共団体は「特定投資家への移行(プロ成り)可能な一般投資家」という扱いに変更されたということです。
 
不動産信託受益権を地方公共団体へ販売するようなケースは極めて稀だと思いますので、今回の改正は不動産プレーヤーにとってはあまり大きな影響はございません。
 
しかし、このように日々細かな改正がありますので、最新の状況について常にアンテナを張って置くことが重要です。
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賃貸住宅管理業登録制度

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2011-3-23 7:00
国土交通省は、賃貸住宅管理業者やサブリース業者を対象にした登録制度の概要を明らかにしました。
 
登録の対象となるのは、
  • 家賃・敷金等の受領事務
  • 契約更新事務
  • 契約終了事務
のいずれかを行う事業者です。
 
登録業者には以下のルールが課せられます。
  • 管理委託契約等の重要事項説明
  • 管理委託契約等の締結時の書面交付
  • 貸主に対する定期的な管理事務報告
  • 敷金精算の算定額の交付
  • 財産の分別管理
  • 帳簿の作成・保存
  • 従業者証明書の携帯
  • 誇大広告の禁止
  • 一括再委託の禁止 等
これらのルールに違反した場合には、国土交通省から指導等を受けることがあり、場合によっては登録が抹消されることもあるとのことです。
 
登録自体は任意ではありますが、業者を選ぶ際の判断材料になっていくことは間違いないですので、多くの業者が登録することになると思われます。
 
国土交通省では、この登録制度を平成23年度内に施行する予定にしています。

 

 

 

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現存しない建物の登記

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2011-3-16 7:00

 不動産取引に関する重要事項説明書を作成にあたっては、まずは法務局で登記事項証明書を取得します。

 
登記事項証明書を取得するためには、土地については「地番」、建物については「家屋番号」を特定する必要があります。
 
 
しかし、物件調査の際にあたっては、対象物件の家屋番号を記載して証明書を取得するのではなく、「対象地番上の建物すべて」として申請するようにしてください。
 
というのも、既に取り壊し済で現存しない建物の登記が残っている(滅失登記が未了となっている)ケースがよくあるからです。
 
(特に現地に建物が1棟しかないのに、家屋番号が「○番○の2」となっているような場合は要注意です。)
 
現存しない建物の登記が残っていると、融資が受けられない等のトラブルが起きることがありますので、そのような登記がないかを調査しなければなりません。
 
 
もし、現存しない建物の登記が残っている場合には、決済時までに売主の責任と費用負担で滅失登記を完了していただく旨を売買契約に盛り込みます。
 
滅失登記を申請するためには、建物登記名義人の委任状と取毀証明書(解体工事業者が発行する)が必要となります。
 
しかし、建物解体から長い年月が経過し、その間に土地が転々と売買されている等の場合には、これらの書類を用意することが困難なことがあります。
 
そのような場合、利害関係人である土地所有者が「上申書」(申出人の印鑑証明書付)を作成・添付することによって滅失登記の申出をすることも可能です。
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賃借権の相続

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2011-3-2 5:40

賃借人が亡くなった場合、その賃借権は相続人が承継することになります。

 
賃借人と同居していたかどうかは関係ありません。
 
賃借権を承継するということは、賃料支払債務も承継することになります。
 
したがって、もし亡くなった人が賃料を滞納していた場合には、相続人がその支払債務を負うことになります。
 
また、相続人が賃貸借関係を継続を望まない場合であっても、中途解約については契約に則って行う必要があります。
 
したがって、残置物の撤去その他の原状回復義務を相続人が負担することになります。
 
逆にいえば、一人暮らしの賃借人が亡くなったからといって、賃貸人はその室内にある家財等を勝手に処分することはできません。
 
賃貸借関係の解消については、賃借人の相続人を相手方として協議を進めていく必要があるということです。
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公正証書

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2011-2-23 7:20

公正証書とは、公務員である公証人が作成する書面です。

法律で公正証書で作成すべきものとされているものが幾つかありますが、「事業用定期借地権」もそのうちの一つです。

また、新築マンションを分譲する際には、分譲業者が以下の事項について規約を定めることができますが、この規約についても公正証書でなければなりません。

  • 規約共用部分に関する定め
  • 規約敷地の定め
  • 専有部分と敷地利用権の分離処分を可能にする定め
  • 敷地利用権の共有、準共有持分の割合に関する定め

契約書等を公正証書で作成すると、次のようなメリットがあります。

  1. 公文書であるため、裁判になったときには高い証明力がある。
  2. 原本が公証役場で保管されるため、紛失や滅失の危険性が少ない。
  3. 「強制執行認諾条項」を定めておくことで、裁判所の判決を得なくても、ただちに強制執行手続を行うことができる。

特に重要なのが3の強制執行認諾条項です。

ただし、公正証書によって強制執行ができるのは「金銭債務」に限られます。

そのため、賃貸借契約を公正証書で作成した場合であっても、賃料債権や損害賠償請求権等についての強制執行はできますが、契約解除に伴う建物明渡請求権に関しての強制執行はできません。

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賃貸人変更時の未収賃料の取扱い

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2011-2-16 6:20

売買等によって賃貸中の建物の所有権が移転した場合、賃貸人としての地位は新所有者に当然に承継されることになります。

同時に、賃借人が旧所有者に預託していた敷金についても、新所有者は当然にその返還債務を負うことになります。

(新旧所有者間で敷金相当額の授受をしていたかにかかわりなく、賃借人は新所有者に対し、明渡し時に敷金の返還を求めることができます。)

ところで、建物所有権移転の時点で賃料を滞納している賃借人がいる場合があります。

この場合、未収となっている賃料債権については、旧所有者が回収する権利を持つことになります。

(新所有者は、所有権を取得した日以降の賃料のみ、賃借人に請求することができます。)

これに関連して、次のような最高裁の判例(昭和44年7月17日)があります。

「建物賃貸借契約において、当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される」

例えば、敷金を30万円差し入れている賃借人が、賃料を20万円滞納していたとします。

この状況で建物の所有権が移転した場合、所有権移転の瞬間に敷金30万円のうち20万円分は滞納していた賃料に充当され、残額の10万円のみが新所有者に承継されることになります。

(判例では「当然充当」とされていますので、仮に新旧所有者間でこれと異なる合意をしても、そのことを賃借人に主張することはできません。)

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ただちに・すみやかに・遅滞なく

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2011-2-9 6:50

法令用語というのは、似たような言葉でも微妙にニュアンスが違うことがあります。

そのため、契約書のドラフティング(起案)にあたっては、一言一句に注意を払わなければなりません。

 

以前、ある覚書を作成する過程で、売主側のである私と買主側の担当者との間で、ちょっとした用語の使い方で攻防戦が繰り広げられました。

私(売主)の書いた条項案:

「買主は、本日以降、本件居室の売主から買主への承継に関するテナント承継承諾書への押捺をただちに本件賃借人より取得する義務を負う。」

買主からの修正案:

「買主は、本日以降、本件居室の売主から買主への承継に関するテナント承継承諾書への押捺をすみやかに本件賃借人より取得する義務を負う。」

最終的に合意した条項:

「買主は、本日以降、本件居室の売主から買主への承継に関するテナント承継承諾書への押捺を遅滞なく本件賃借人より取得する義務を負う。」

違うのは赤字の部分、「ただちに」「すみやかに」「遅滞なく」だけです。

いずれも「いますぐ」というような時間的即時性を要求する用語で、日常会話の上ではそんなに意識して使い分けられていません。

しかし、法令や契約書で用いられる場合にはそれぞれ若干ニュアンスが違います。

まず私が用いた「ただちに(直ちに)」ですが、これが最も時間的即時性が強く、何をおいてもすぐに行わなければならないという意味を表します。

大辞林(三省堂)でも「時間を置かないで物事を行うさま。時を移さず。すぐ。」と説明されています。

上記のケースでは、売主は承諾書を一刻も早く取得して欲しいという事情があったので、一番厳しい用語を用いたのです。

これに対し、買主が提示した「すみやかに」は、「ただちに」よりも急迫度が低く、「できる限り」といった訓示的意味合いを示す場合に使われます。

法的拘束力も弱く、違反しても即違法とはならないというようなニュアンスで使用されています。

買主の立場では「ただちに」ではあまりにも苛酷だということで、自分にとって一番拘束力のゆるい表現への変更を求めてきたわけです。

そして、最終的に折り合いがついたのが「遅滞なく」です。

これは、正当又は合理的な理由がない場合に限り直ちに行わなければならないという意味を表しますが、裏返せば正当又は合理的な理由があれば多少の遅れがあっても許されるといったニュアンスです。

 

契約書にサインするということは、その契約に定められた自己の義務を履行しなければ違約となり、損害賠償責任を負わなければならなくなります。

そのため、少しでも自分が違約とならないように文言を工夫することがドキュメンテーションにおいては重要なポイントとなるのです。 

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契約締結前交付書面の相手方

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2011-2-1 6:30
信託受益権の売買の媒介(仲介)を行う際、第二種金融商品取引業者は、あらかじめ顧客に対し、一定の事項を記載した説明書面(契約締結前交付書面)を顧客に交付する必要があります(金融商品取引法第37条の3)。
 
ところで、「顧客」とは誰を指すのでしょうか?
 
平成19年7月31日に金融庁が公開した『金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等」に対するパブリックコメントの結果等について』のP.274では、次のように述べられています。
 
金融商品取引業者等が有価証券の売主のために売買の媒介を行う場合には、当該金融商品取引業者等は、当該有価証券の売主のために売買の媒介を行うことを内容とする金融商品取引契約を締結することから、売主に対して契約締結前交付書面の交付義務を負うものと考えられます。

一方、買主を相手方として有価証券の売買を行うことを内容とする金融商品取引契約は、当該金融商品取引業者等ではなく、当該有価証券の売主が締結するものであることから、当該金融商品取引業者等は買主に対して契約締結前交付書面の交付義務を負わないものと考えられます。

ただし、当該金融商品取引業者等が当該買主のためにも売買の媒介を行うと認められる場合には、当該金融商品取引業者等は、当該買主のために売買の媒介を行うことを内容とする金融商品取引契約を締結すると認められることから、買主に対しても契約締結前交付書面の交付義務を負うものと考えられます。
 
 
上記を前提とすると、たとえば共同仲介で売主側・買主側それぞれに仲介業者(第二種金融取引業者)がいる場合、売主側の業者は売主に対して、買主側の業者は買主に対して、説明・書面交付を行う義務があるということになります。
 
購入する側である買主へ説明しようという意識はあると思うのですが、売主に対して説明しなければならないということは案外見落としがちです。
 
ご注意ください。
 
(リンク)

 

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定期借家契約終了に関する通知義務

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2011-1-26 7:10

定期借家契約(定期建物賃貸借契約)を締結した場合、この契約には更新がありませんので、賃借人は契約期間が満了とともに明け渡しをしなければなりません。

しかし、単に更新がない旨を契約書に記載するだけでは足りません。

賃貸人は、期間満了の1年前から6か月前の間に、賃借人に対して、期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をする必要があります。

(賃貸借期間が1年未満の場合には通知不要。)

もしこの通知を怠った場合には、賃借人に対して賃貸借の終了を対抗することができない、つまり明け渡しを強制することができません。

ただし、通知期間が過ぎてから通知をした場合には、通知をした日から6か月を経過すれば、明け渡しを求めることができます。

定期借家契約は、不動産賃貸経営のリスクマネジメントを考えるうえで、きわめて有用なツールです。

せっかく定期借家契約を締結しても、この通知を失念してしまうのでは、画竜点睛を欠くことになってしまいます。

こうした「期日管理」もリスクマネジメントに欠かせない事柄ではないかと思います。

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定期借家契約の「事前説明書面交付義務」

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2011-1-19 7:20

借地借家法においては、賃貸人に正当事由がない限り、賃貸借契約の更新を拒絶することができないというのが原則です。

しかし、公正証書等の書面によって、契約の更新のない建物賃貸借契約、いわゆる「定期借家契約」を締結することも可能です。

この定期借家契約ですが、以前に比べるとだいぶ利用されるようになったとはいえ、全面的に普及したとはいえないと思います。

不動産賃貸経営のリスクマネジメントの視点からすると、大家さんはもっと積極的に定期借家契約を活用すべきではないかと考えています。


定期借家契約制度を利用するにあたって注意すべきことがいくつかあります。

そのうちの一つが「賃貸人による事前説明義務」です。

定期借家契約を締結する場合には、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、「この建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了する」ことについて、その旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。

もし、この説明を怠ったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となる、すなわち通常の賃貸借になってしまいますので注意してください。


また、単に口頭で説明するのでは足りず、必ず書面を交付する必要があります。

賃借人と明け渡しに関して争いが生じた場合に、この事前説明の書面を交付したかどうかが争点となる可能性がありますので、「説明書面を受領しました」旨を記載したうえで賃借人の署名押印を徴求しておくことも重要です。

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土壌汚染対策法に基づく土壌調査義務

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2011-1-12 7:00

土壌汚染対策法では、一定の場合に土地所有者等に土壌調査を義務づけています。

(1)有害物質使用特定施設を廃止した場合

特定有害物質を取り扱っていた特定施設(有害物質使用特定施設)を廃止したときには、土地所有者等は土壌調査を行わなければなりません。

従前は、廃止した特定施設で「平成15年2月15日以後に使用されていた」特定有害物質のみが調査対象でしたが、平成22年4月1日より施行されている改正法においては、平成15年2月15日前に使用していた特定有害物質も調査の対象になっています。

(2)3,000平方メートル以上の土地の形質の変更が行われる場合

3,000平方メートル以上の土地の形質の変更をする場合には、その30日前までに都道府県知事に届出をしなければなりません。

土地の形質の変更とは、土地の形状を変更する行為全般を指し、掘削部分と盛土部分の両方を合わせた面積が3,000平方メートル以上となる場合には届出が必要です。

(ただし、盛土だけの場合には届出不要です。)

届出を受けた都道府県知事が土壌汚染のおそれがあると判断した場合には、土地所有者等に対して調査命令を出すことができるようになっています。

(3)土壌汚染による健康被害が生じるおそれがある場合

上記(1)及び(2)のほか、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるものと認めるときは、都道府県知事は土地所有者等に対して調査命令を出すことができることになっています。

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金融商品取引業者の帳簿作成・保存義務

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2011-1-5 7:40

金融商品取引法では、業者に対して帳簿書類の作成・保存を義務付けています。

信託受益権売買の媒介に関連するところでは、以下の書類を保存する必要があります。

  • 特定投資家から一般投資家への移行申出に関する交付書面(写し)
  • 特定投資家へ移行申出をした個人が移行要件に該当することを確認した書面(写し)
  • 特定投資家への移行申出をした法人の同意書面(*)
  • 契約締結前交付書面(写し)
  • 契約締結時交付書面(写し)
  • 契約変更書面(写し)
  • 媒介に係る取引記録

これらの保存期間は、取引記録が作成の日から10年間、その他は5年間です。(*は効力を失った日から5年間)

金融商品取引法上の「取引記録」には、次の事項を記載することとされています。

  • 媒介を行った年月日
  • 顧客の氏名または名称
  • 媒介または代理の別
  • 媒介の内容
  • 媒介に関して受け取る手数料、報酬その他の対価の額

ところで、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)においても「取引記録」の作成・保存が義務づけられています。

(保存期間は取引の日から7年間です。)

  • 本人確認記録を検索するための事項
  • 取引の期日及び内容
  • 取引の種類
  • 取引に係る財産の価額
  • 財産の移転元、移転先の内容

金融商品取引法と犯罪収益移転防止法とでは記載項目が異なりますが、両方を網羅していれば1つの記録にまとめても構いません。

(ただし、保存期間が異なることに注意してください。)

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新年あけましておめでとうございます

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2011-1-1 6:00

2011年年賀状

 

あけましておめでとうございます。

開業2年目となる今年は、うさぎのように全力で駆け抜けていきたいと思っております。

本年もよろしくお願いいたします。

昨年は独立初年度ということで、とにかく無我夢中で走り続けた年でした。
頂いたお話(案件)はすべて挑戦させていただきましたし、思いついたことは全部試してきました。今年もそのスタンスは変わりません。むしろ、さらにアグレッシブに活動をしていきたいと思っています。

自営業者になると、自分が行動がストレートに結果に結びつくことを感じます。
自らアクションを起こさなければ何も始まりませんし、アクションを起こせば(成功か失敗かは別として)必ず何らかの結果が生じます。

もちろん、即座に結果が出るものだけでなく、結果が出るまでに時間のかかかるものもあります。
しかし、アクションを起こさなければ結果は出ない、ということだけは確かです。

「終わりなき疾走」

これが今年のテーマです。

 

※新年は1月4日(火)より営業いたします。

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2010年も残すところ3日となりました。

皆様にとってこの1年はどんな年だったでしょうか。

私にとっては、非常に大きな節目の年でした。

1月に行政書士試験に合格し、3月より独立いたしましたが、おかげさまで恙なく年の瀬を迎えることができました。

「渡る世間に鬼は無い」と申しますが、開業以来、多くの人たちから温かい励ましの言葉や、物心両面でのご支援をいただきました。

お客様、同業者の方々、ビジネスパートナーの皆様に対しては、ただただ感謝の気持ちしかございません。

来年も周囲への感謝の気持ちを忘れず、より一層精進してまいりたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

どうぞ良い年をお迎えください。


不動産法務サポートオフィス
代表  中沢 誠


===== 年末年始休業のお知らせ =====

不動産法務サポートオフィスは、12月29日から1月3日まで休業とさせていただいております。

新年は1月4日より営業いたします。

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契約締結時交付書面を忘れずに!

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2010-12-22 7:30

信託受益権売買契約が成立したときは、仲介業者(第二種金融商品取引業者)は、「契約締結時交付書面」を作成し、顧客に交付する必要があります(金融商品取引法第37条の4)。

不動産売買の場合にも同様の規定がありますが(宅地建物取引業法第37条)、通常は売主・買主間で締結された売買契約書に宅地建物取引業者及び宅地建物取引主任者が捺印することで代用しています。

しかし、信託受益権売買の場合には、売買契約書とは別に「契約締結時交付書面」を作成し、交付しなければなりませんので注意してください。

契約締結時交付書面の記載事項は下記のとおりです。

(共通記載事項)

 1 当該金融商品取引業者等の商号、名称又は氏名

 2 当該金融商品取引業者等の営業所又は事務所の名称

 3 当該金融商品取引契約の概要

 4 当該金融商品取引契約の成立の年月日

 5 当該金融商品取引契約に係る手数料等に関する事項

 6 顧客の氏名又は名称

 7 顧客が当該金融商品取引業者等に連絡する方法

(有価証券売買等に関する記載事項)

 1  自己又は委託の別

 2  売付け又は買付けの別

 3  銘柄(取引の対象となる金融商品、金融指標その他これらに相当するものを含む。)

 4  約定数量(数量がない場合にあっては、件数又は数量に準ずるもの)

 5  単価、対価の額、約定数値その他取引一単位当たりの金額又は数値

 6  顧客が支払うこととなる金銭の額及び計算方法

 7  取引の種類

 8  取引の内容を的確に示すために必要な事項

 9  現金取引又は信用取引の別

なお、契約締結時交付書面の写しについては、契約締結前交付書面等とともに、作成の日から5年間保存しておく必要があります。
 

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建物の遵法性の確認

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執筆 : 
2010-12-15 7:50

不動産投資におけるデューデリジェンスでは、「建物の遵法性」についてもチェックすべき項目の一つとして挙げられています。

建築基準法では、一定の建築物を建築する場合には、工事に着手する前にいわゆる「建築確認」を受け、工事完了後には「検査」を受けることが義務付けられています。

もし「建築確認」を受けないで工事を行ったり、「検査」を受けなかった場合には、その建物は違反建築物ということになります。

「建築確認通知書」と「検査済証」があれば、基本的にはその時点では適法であったことが確認できます。

しかし、いくら工事完了時点は適法であったとしても、その後の増改築によって建築基準法に抵触するような状態になれば、やはり違反建築物ということになります。

以前報道された某ビジネスホテルのケースでは、工事完了検査後に「駐車場」を「客室」に改良し、これによって建築基準法に定める容積率制限をオーバーしていました。

このケースでは、ホテル会社は各地方自治体(特定行政庁)から、建築基準法第9条に基づき、一部使用禁止を含む「是正措置」を命じられていました。

このように、「建築確認通知書」と「検査済証」があったとしても違反建築物となっている可能性はありますので、デューデリジェンスに際しては、建築確認申請時の図面と現況との間に齟齬がないかをチェックしていきます。

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不動産投資におけるデューデリジェンス

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2010-12-8 7:30

デューデリジェンス(Due Diligence)とは、もともと「当然払うべき注意、努力」という意味ですが、M&Aや不動産証券化等の世界で行われる詳細な調査・分析のことを指します。

不動産投資・不動産証券化の場面で行われるデューデリジェンスは、通常次の3つの側面から実施されます。

(1)法的(権利関係)調査

  •  売主が対象物件を処分する権利・権限を有しているか。
  •  信託契約、借地契約等の内容。
  •  テナントとの賃貸借契約の内容。
  •  対象物件に関して訴訟等が提起されていないか。
  •  (当該取引に際しての)売買契約その他関連契約の内容。 等

(2)物理的状況調査

  •  土壌汚染の有無。
  •  アスベスト等の有害物質の使用状況。
  •  地震リスク(PML)、建物の耐震性能。
  •  建築法規に関する遵法性。
  •  境界確定状況。
  •  短期/長期修繕費用の見積。 等

(3)経済的調査

  •  市場動向、地域要因・立地特性。
  •  テナントの属性、使用目的、信用情報、支払状況。
  •  稼働率の推移、適正賃料、テナント誘致の競争力の有無。
  •  過去の費用水準、費用見直しの可能性。
  •  将来の売却にあたっての競争力。 等

これらの調査は買主だけで行うことは不可能で、弁護士、公認会計士・税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、各種調査会社、ゼネコン、リーシング業者等、それぞれの専門家に発注することが通例です。

しかし、ただ単に各専門家からレポートを受領するだけではデューデリジェンスを行ったことにはなりません。

それぞれのレポートに記載された内容を咀嚼し、それを投資判断・運用戦略にどのように活かしていくかということが重要なのです。

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ファンドが売主の場合の瑕疵担保責任

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2010-12-1 7:00

不動産取引においてファンドが売主である場合に、売主が瑕疵担保責任を負うかどうかについては、幾つかのパターンに分けて考える必要があります。

(1)現物不動産の取引の場合

 特定目的会社(TMK)については宅地建物取引業法は適用されないため(資産の流動化に関する法律第204条)、買主が非業者の場合でも、瑕疵担保責任を免除する特約が可能です。

 これに対し、投資法人(J−REIT)は宅地建物取引業者とみなされるため(宅地建物取引業法第77条の2)、買主が非業者の場合には、引渡しから2年以上瑕疵担保責任を負わなければなりません。

 ※合同会社(GK)が売主となる場合も考えられますが、この場合にはそもそも合同会社に宅地建物取引業免許が必要かということが問題になります。

 すなわち、当該合同会社が複数の不動産を取得・保有・売却するということであれば免許が必要であり、免許が必要であれば当然宅地建物取引業法上の制限が課せられることになります。

(2)信託受益権の取引の場合

 信託受益権の売買に関しては、宅地建物取引業法第40条の適用はありませんので、特定目的会社、投資法人、合同会社のいずれが売主であっても、瑕疵担保責任を免除する特約が可能です。

 

なお、上記のほかに留意して頂きたいのが「消費者契約法」です。

特定目的会社、投資法人、合同会社のいずれも事業者に該当するため、買主が消費者となる場合には、瑕疵担保責任を全部免除する条項は無効となります。

ファンドから不動産あるいは信託受益権を購入する買主の多くは事業者であると思われますが、区分所有建物の1区画を売却する場合等、消費者契約法が適用される場面もありえますのでご注意ください。

→ 参考記事 「消費者契約法と宅地建物取引業法」
 

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金融商品取引業者は、事業年度ごとに「事業報告書」を作成し、毎事業年度経過後3か月以内に、これを内閣総理大臣に提出しなければなりません。

事業報告書の様式(フォーマット)は内閣府令で定められています。

→ 事業報告書の様式(金融庁ホームページ:WORDファイル)
 

平成22年10月より金融ADR制度が導入されましたが、これに関連して事業報告書にも「苦情処理措置及び紛争解決の体制」という項目が加わりました。

具体的には業務方法書に定められた内容を記載すればよいのですが、参考例をあげると次のような形になろうかと思います。

(参考例)

(3)苦情処理及び紛争解決の体制

当社は、特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センターが行う苦情の解決およびあっせんにより、苦情の処理及び紛争の解決を図ることとしております。

上記はあくまでも「参考例」ですので、実際には各社の業務方法書に記載している内容と整合している必要がありますのでご留意ください。

 

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東京 不動産 契約 契約書 証券化 ファンド ( 投資事業有限責任組合 有限責任投資事業組合 )

不動産信託受益権 信託契約書 宅地建物取引業 宅建 申請 第二種金融商品取引業 投資運用業 投資助言 ・ 代理業 ( 投資助言業 ) 他