建物の遵法性の確認

不動産投資におけるデューデリジェンスでは、「建物の遵法性」についてもチェックすべき項目の一つとして挙げられています。

建築基準法では、一定の建築物を建築する場合には、工事に着手する前にいわゆる「建築確認」を受け、工事完了後には「検査」を受けることが義務付けられています。

もし「建築確認」を受けないで工事を行ったり、「検査」を受けなかった場合には、その建物は違反建築物ということになります。

「建築確認通知書」と「検査済証」があれば、基本的にはその時点では適法であったことが確認できます。

しかし、いくら工事完了時点は適法であったとしても、その後の増改築によって建築基準法に抵触するような状態になれば、やはり違反建築物ということになります。

以前報道された某ビジネスホテルのケースでは、工事完了検査後に「駐車場」を「客室」に改良し、これによって建築基準法に定める容積率制限をオーバーしていました。

このケースでは、ホテル会社は各地方自治体(特定行政庁)から、建築基準法第9条に基づき、一部使用禁止を含む「是正措置」を命じられていました。

このように、「建築確認通知書」と「検査済証」があったとしても違反建築物となっている可能性はありますので、デューデリジェンスに際しては、建築確認申請時の図面と現況との間に齟齬がないかをチェックしていきます。

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