2011年

契約締結前交付書面の相手方

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信託受益権の売買の媒介(仲介)を行う際、第二種金融商品取引業者は、あらかじめ顧客に対し、一定の事項を記載した説明書面(契約締結前交付書面)を顧客に交付する必要があります(金融商品取引法第37条の3)。
 
ところで、「顧客」とは誰を指すのでしょうか?
 
平成19年7月31日に金融庁が公開した『金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等」に対するパブリックコメントの結果等について』のP.274では、次のように述べられています。
 
金融商品取引業者等が有価証券の売主のために売買の媒介を行う場合には、当該金融商品取引業者等は、当該有価証券の売主のために売買の媒介を行うことを内容とする金融商品取引契約を締結することから、売主に対して契約締結前交付書面の交付義務を負うものと考えられます。

一方、買主を相手方として有価証券の売買を行うことを内容とする金融商品取引契約は、当該金融商品取引業者等ではなく、当該有価証券の売主が締結するものであることから、当該金融商品取引業者等は買主に対して契約締結前交付書面の交付義務を負わないものと考えられます。

ただし、当該金融商品取引業者等が当該買主のためにも売買の媒介を行うと認められる場合には、当該金融商品取引業者等は、当該買主のために売買の媒介を行うことを内容とする金融商品取引契約を締結すると認められることから、買主に対しても契約締結前交付書面の交付義務を負うものと考えられます。
 
 
上記を前提とすると、たとえば共同仲介で売主側・買主側それぞれに仲介業者(第二種金融取引業者)がいる場合、売主側の業者は売主に対して、買主側の業者は買主に対して、説明・書面交付を行う義務があるということになります。
 
購入する側である買主へ説明しようという意識はあると思うのですが、売主に対して説明しなければならないということは案外見落としがちです。
 
ご注意ください。
 
(リンク)
平成19年7月31日「金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等」に対するパブリックコメントの結果等について

 

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ブログ更新: 定期借家契約終了に関する通知義務

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定期借家契約終了に関する通知義務

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定期借家契約(定期建物賃貸借契約)を締結した場合、この契約には更新がありませんので、賃借人は契約期間が満了とともに明け渡しをしなければなりません。

しかし、単に更新がない旨を契約書に記載するだけでは足りません。

賃貸人は、期間満了の1年前から6か月前の間に、賃借人に対して、期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をする必要があります。

(賃貸借期間が1年未満の場合には通知不要。)

もしこの通知を怠った場合には、賃借人に対して賃貸借の終了を対抗することができない、つまり明け渡しを強制することができません。

ただし、通知期間が過ぎてから通知をした場合には、通知をした日から6か月を経過すれば、明け渡しを求めることができます。

定期借家契約は、不動産賃貸経営のリスクマネジメントを考えるうえで、きわめて有用なツールです。

せっかく定期借家契約を締結しても、この通知を失念してしまうのでは、画竜点睛を欠くことになってしまいます。

こうした「期日管理」もリスクマネジメントに欠かせない事柄ではないかと思います。

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ブログ更新: 定期借家契約の「事前説明書面交付義務」

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定期借家契約の「事前説明書面交付義務」

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借地借家法においては、賃貸人に正当事由がない限り、賃貸借契約の更新を拒絶することができないというのが原則です。

しかし、公正証書等の書面によって、契約の更新のない建物賃貸借契約、いわゆる「定期借家契約」を締結することも可能です。

この定期借家契約ですが、以前に比べるとだいぶ利用されるようになったとはいえ、全面的に普及したとはいえないと思います。

不動産賃貸経営のリスクマネジメントの視点からすると、大家さんはもっと積極的に定期借家契約を活用すべきではないかと考えています。


定期借家契約制度を利用するにあたって注意すべきことがいくつかあります。

そのうちの一つが「賃貸人による事前説明義務」です。

定期借家契約を締結する場合には、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、「この建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了する」ことについて、その旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。

もし、この説明を怠ったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となる、すなわち通常の賃貸借になってしまいますので注意してください。


また、単に口頭で説明するのでは足りず、必ず書面を交付する必要があります。

賃借人と明け渡しに関して争いが生じた場合に、この事前説明の書面を交付したかどうかが争点となる可能性がありますので、「説明書面を受領しました」旨を記載したうえで賃借人の署名押印を徴求しておくことも重要です。

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セミナーへのご参加ありがとうございます

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2011年1月14日に開催いたしました「不動産信託受益権に関する取引実務セミナー」には、定員20名のところ17名の方々に受講していただきました。ありがとうございました。

不動産法務サポートオフィスでは、今後もこのようなセミナーを随時開催させていただく予定でございます。

→ セミナーの様子と受講者の声はこちらから

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全国賃貸住宅新聞に掲載されました。

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全国賃貸住宅新聞2011年1月10日号に、当事務所のデュデリジェンス業務サポートとセミナーが取り上げられました。

 

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ブログ更新: 土壌汚染対策法に基づく土壌調査義務

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土壌汚染対策法に基づく土壌調査義務

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土壌汚染対策法では、一定の場合に土地所有者等に土壌調査を義務づけています。

(1)有害物質使用特定施設を廃止した場合

特定有害物質を取り扱っていた特定施設(有害物質使用特定施設)を廃止したときには、土地所有者等は土壌調査を行わなければなりません。

従前は、廃止した特定施設で「平成15年2月15日以後に使用されていた」特定有害物質のみが調査対象でしたが、平成22年4月1日より施行されている改正法においては、平成15年2月15日前に使用していた特定有害物質も調査の対象になっています。

(2)3,000平方メートル以上の土地の形質の変更が行われる場合

3,000平方メートル以上の土地の形質の変更をする場合には、その30日前までに都道府県知事に届出をしなければなりません。

土地の形質の変更とは、土地の形状を変更する行為全般を指し、掘削部分と盛土部分の両方を合わせた面積が3,000平方メートル以上となる場合には届出が必要です。

(ただし、盛土だけの場合には届出不要です。)

届出を受けた都道府県知事が土壌汚染のおそれがあると判断した場合には、土地所有者等に対して調査命令を出すことができるようになっています。

(3)土壌汚染による健康被害が生じるおそれがある場合

上記(1)及び(2)のほか、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるものと認めるときは、都道府県知事は土地所有者等に対して調査命令を出すことができることになっています。

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金融商品取引業者の帳簿作成・保存義務

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金融商品取引法では、業者に対して帳簿書類の作成・保存を義務付けています。

信託受益権売買の媒介に関連するところでは、以下の書類を保存する必要があります。

  • 特定投資家から一般投資家への移行申出に関する交付書面(写し)
  • 特定投資家へ移行申出をした個人が移行要件に該当することを確認した書面(写し)
  • 特定投資家への移行申出をした法人の同意書面(*)
  • 契約締結前交付書面(写し)
  • 契約締結時交付書面(写し)
  • 契約変更書面(写し)
  • 媒介に係る取引記録

これらの保存期間は、取引記録が作成の日から10年間、その他は5年間です。(*は効力を失った日から5年間)

金融商品取引法上の「取引記録」には、次の事項を記載することとされています。

  • 媒介を行った年月日
  • 顧客の氏名または名称
  • 媒介または代理の別
  • 媒介の内容
  • 媒介に関して受け取る手数料、報酬その他の対価の額

ところで、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)においても「取引記録」の作成・保存が義務づけられています。

(保存期間は取引の日から7年間です。)

  • 本人確認記録を検索するための事項
  • 取引の期日及び内容
  • 取引の種類
  • 取引に係る財産の価額
  • 財産の移転元、移転先の内容

金融商品取引法と犯罪収益移転防止法とでは記載項目が異なりますが、両方を網羅していれば1つの記録にまとめても構いません。

(ただし、保存期間が異なることに注意してください。)

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